コンテナと建築確認|適法に使用する3つの方法

コンテナ購入予定の方から多く寄せられる質問があります。
それは「建築確認を受けなくても大丈夫か?」というもので、当社としての回答は「ケースバイケース」であると申し上げております。
それじゃ答えになってないよ!とのツッコミが聞こえて来そうですので、もう少し具体的に申し上げると、

  1. 建築物として建築確認が必要なケース
  2. 建築物に該当するが、建築確認が不要なケース
  3. 建築物に該当せず、建築確認が不要なケース

これらのケースが個々別に存在します。

今回の記事では、どのような条件で各々のケースに該当するのかを確認していきます。
建築物に該当するかしないかの判断基準を見つつ、ルールを守ってコンテナを使用するためのヒントとなる情報をまとめました。

コンテナは建築物にあたるかの判断基準

国土交通省はかねてより「随時かつ任意に移動できないコンテナ」は建築物に該当するとの見解を明示しています。

要するに「コンテナはいつでも思うように動かせなければそれは建築物にあたるよ」と言っているのです。
使用者が「建築物じゃない!貨物コンテナだ!」と言い張ったとしても国土交通省は「ダメ、建築物に該当する」との姿勢です。置かれたコンテナを事務所にしていようが倉庫として使おうが、どんな用途で使われるかを問わず、いつでも任意に動かせないものは「土地に定着」しているとみなしているんですね。

そして自治体によってはさらに厳しい見解として「事務所とか倉庫みたいにして継続的に使ってるなら、もうそれは建築物ね」としているので注意が必要です。

建築物に該当すれば建築基準法の適用を受ける

建築物にあたれば建築基準法が適用される。これは当然のことですね。

使用するコンテナが建築物に該当するならば、必ずこの法律を守らなければなりません。
そして建築確認が必要なケースなら建築確認を申請し、確認済証の交付を受けなければなりません。無確認で設置したあと指摘を受けると、違法建築として行政から措置命令や場合によっては処罰を受けることもあります。

ただし海上コンテナで建築確認を受けることは非常に難しく、建築確認を受けられる状態にするためにはかなりの費用がかかります。
そうするとコンテナを利用するコスト面のメリットがなくなり、現実的にはコンテナ以外の代替案を探す方が賢明です。

建築確認が不要な場合もある

一方、建築基準法には建築物に該当しても建築確認を必要としない、言わば”例外”があることをご存知でしょうか?

一つは延床面積が10㎡以下の建築物に認められるものです。
防火地域および準防火地域外であることや、母屋との合計床面積に制限があるなど諸条件をクリアしていれば建築確認が不要とされています。

もう一つは都市計画区域外の4号建築物について建築確認が不要とされるものです。

このように、コンテナが建築物に該当するとみなされた場合でも、使用するコンテナの大きさや設置場所が一定の条件に合えば、建築確認が不要になる可能性があります。

コンテナの設置前に、必ず対象となる土地を管轄している役所にコンテナ設置について意見を聞くようにしましょう。
もし間違った認識で勝手に設置した場合、是正措置や罰則の適用を受ける場合がありますので、事前に確認をしておくことをお勧めいたします。

建築物に該当しなければ建築確認は不要

建築基準法が建築に関する法律である以上、建築物に該当しなければ建築確認は不要です。

但し、使用者がどんな主張をしてもコンテナが土地に定着しているとみなされれば、建築物とされて建築基準法が適用されることとなります。注意が必要なのは、基礎と固定していなくても「定着」とみなされることがあるということです。基礎と固定されていることが定着を示すのではなく、「随時かつ任意に」動かすことができなければ定着しているとみなされます。
この部分は冒頭で説明した通りです。

ルールを守ってコンテナを使用する3通りの方法

ここまでの話をまとめてみると、ルールを守ってコンテナを使用するためには以下の3通りの方法があるということになります。

  1. 建築物として建築確認を取って設置する
  2. 建築確認が不要な範囲内(地域・規模等)で使用する
  3. 随時かつ任意に動かせる状態=建築物に該当しない状態で使用する

1.建築物として建築確認を取って設置するはいまさら説明不要ですね。
居住したり、事務所で使用したりするために固定的に使用する設備(水道・ガス・電気)の設置が必要な場合はこのパターンを選ぶ他ありません。
建築確認を受けることができたならば、何の心配もありませんね。ただコストメリットはなくなります。

2.建築確認が不要な範囲内(地域・規模等)で使用するは例外的に建築確認が不要になる場合でしたね。
サイズや地域の条件がはまれば、コンテナのメリットを最も享受できるのがこのパターンです。
小規模なコンテナを物置として庭に設置する場合、一定の条件を満たせば建築確認不要で設置ができます。
サイズの目安で言うと、12F以下のコンテナは基本的に10㎡以下です。また、ユニットハウスは3坪までは10㎡以下となります。
個人の用途ではそこそこの大きさがありますし、バイク倉庫などにしても十分な大きさです。
10㎡以上のものでも、区域指定がなければ建築確認不要になる場合もありますので、役所で確認してみましょう。

最後に3.建築物に該当しない状態で使用する。
例えば会社の敷地内で倉庫や物置としてコンテナ使用していても、フォークリフトやユニックなどで「随時かつ任意に」コンテナの移動が可能ならば建築物とはなりません。
ただ先述しましたが、自治体によっては固定的に使用する設備の有無にかかわらず、事務機器や物品の設置・収納等の状況により継続的に使用されている実態があれば建築物に該当すると判断される場合があります。
土地に定着させて継続的に使用していれば建築物として指導を受ける可能性があります。くれぐれも自分に都合の良い解釈をして脱法的な方法になってしまわないようにしましょう。

以上、コンテナと建築確認と例外についてみてきました。
ルールを守って安心してコンテナを使用するために、参考にしていただければ幸いです!

※記事の内容はあくまで当社の見解ですので、個々の具体的な事例についての判断は必ず所轄の役場にご相談ください。