海上コンテナとは?サイズや規格、種類をご紹介!

海上コンテナって何だろう?との疑問に答えるページです。
規格や強度、種類や用途など、海上コンテナを理解する上で基本となることを解説していきます!

積み上げられた海上コンテナ
積み置きされた海上コンテナ

海上コンテナとは?

国際的にISO規格で標準化されている「国際海上貨物用コンテナ」のことで、規格化による輸送の効率化によって貿易や物流の発展に大きく寄与してきました。

素材と形状

最も一般的なのは、鉄製の箱型ドライコンテナですが、他にも様々な形状や機能を持ったコンテナがあります。
どんなものがあるかは海上コンテナの種類の章でご紹介します。

ISOコンテナ規格

海上コンテナは、機能や形状によって国際的な標準規格(ISO規格)で定められています。
最も流通しているのは20フィートまたは40フィートのもので、40フィートコンテナの高さが1フィート高くなった40フィートハイキューブコンテナも多く見られます。10フィートは物量が少なく、希少性が高くなっています。
近年海上コンテナ・ISOコンテナでは、建築確認を取得することは困難になっています。

下の表はISOコンテナ規格からこの4種のコンテナについてだけを抜き出したもので、実際には他にもたくさんの規格があります。

呼称区分コードサイズ・重量
10フィートコンテナ1D長さ(mm)2,991
幅(mm)2,438
高さ(mm)2,438
最大総重量(kg)10,160
20フィートコンテナ1CC長さ(mm)6,058
幅(mm)2,438
高さ(mm)2,591
最大総重量(kg)30,480
40フィートコンテナ1AA長さ(mm)12,192
幅(mm)2,438
高さ(mm)2,591
最大総重量(kg)30,480
40フィートハイキューブコンテナ1AAA長さ(mm)12,192
幅(mm)2,438
高さ(mm)2,896
最大総重量(kg)30,480

最大重量は自重も含む総重量です。

強度

海上コンテナは非常に高い耐荷重性および耐久性があります。

船舶輸送を考えていただくとわかりやすいと思います。

40フィートタイプコンテナ一つで自重を含めた総重量は最大30トンにも達します。
近年の巨大コンテナ船では10段積みも珍しくないそうなので、これだけでも最下部のコンテナには300トンもの荷重がかかっています。
さらに航海中激しく揺れると、静止状態の2倍弱もの荷重がかかると言われているので、単純計算で600トン(30トン×10段×2倍)という途方もない荷重に耐えているのです。

もちろん海上輸送中は海水や天日に常にさらされるという過酷な状況。それでも積み荷を守り続けるのですから、耐久性もまた相当なものです。

用途と再利用

本来海上コンテナは船舶や鉄道、トラックなどで貨物を運ぶために使用されます。

役割を終えると、通常は鉄やアルミの材料として再利用が可能です。また次の理由から店舗や家屋、倉庫や物置などに活用されることもあります。

  • 基本的に耐久性・密閉性・耐浸水性に優れる
  • 加工が簡単
  • 移動が簡単

オフィスやアパート、アトリエや美術館などに応用されることもあります。

海上コンテナの種類

ISO規格の区分毎に海上コンテナの種類を見てみましょう。

ドラインコンテナ

最も基本的なコンテナがドライコンテナです。鉄の箱の中に荷物が置けるように床が貼ってあるだけのものです。言ってみれば「ただの鉄の箱」です。
特別な機能はありませんが、その分安価なので改造・加工されて様々な用途に活用されます。

例えばドライコンテナに特殊な構造を付加したものとして、衣類を輸送するためパイプラックを設置した「ハンガーコンテナ」があります。簡易式の通風孔を設けたり、内袋を用いてバルクコンテナとして用いられることもあります。

バルク(乾燥ばら積み用)コンテナ

包装せずばら積みのまま輸送する形式をバルク輸送と言い、特に液体以外の粉状や粒状の積み荷をドライバルクと言います。
バルクコンテナはドライバルクを運ぶためのコンテナで、ドライコンテナのような箱型、ホッパ・サイロ型、タンク型などで形式コードが分かれます。箱型はコンテナ上部の開口部から貨物を流し込めるように設計されており、天井のみ取り外し可能なハードトップコンテナなども用いられます。

通風コンテナ(ベンチレーターコンテナ)

通風孔のついたコンテナをベンチレーターコンテナと呼びます。

通風の方式は自然換気方式と強制換気方式があり、強制換気方式でも換気用機械内蔵型と外部設置型で形式コードが分かれます。

簡易式の通気孔を設けただけの「簡易ベンチレーター付き」は形式コードではドライコンテナに区分されることになっています。

特定貨物コンテナ

特定の貨物を運ぶことに特化したコンテナです。

ペンコンテナは動物を運ぶための専用コンテナで、通風はもちろんのこと、給餌・排泄などに配慮された構造になっています。カーラックコンテナはその名の通り、車を棚に積むようにして運ぶ専用のコンテナです。その他発電専用のコンテナなどもあります。

リーファーコンテナ

冷凍・冷蔵・加温の機能を機械式で付加したコンテナです。
温度のコントロールをすることが可能で、冷凍や冷蔵に限らず機械的に温度をコントロール出来るものが一般的です。
食品や医薬品、美術品など温度に大きな影響を受けるものを輸送するために用いられます。
最近では温度管理だけではなく、エチレンガスの除去や湿度コントロールができるリーファーコンテナも登場しています。

サーマルコンテナ

断熱材を用いて積み荷を保温状態で運ぶためのコンテナです。

機械式の温度コントロール機能を持たないのが、リーファーコンテナとの大きな違いです。予め加温されたものや冷却されたものを運ぶ他、外気温の影響を受けにくいため凍結防止用に用いられることもあります。

オープントップコンテナ

屋根のないドライコンテナまたは、屋根の取り外しできるドライコンテナと考えてもらえばOKです。

屋根がないので通常のコンテナには積めないような高さのあるものの輸送等に適しています。積み荷よって幌や防水シートを張って積み荷を保護して運びます。

開放型コンテナ

その名の通り、天井や壁のない開放感満点のコンテナです。

フラットラックコンテナは、床の他四隅の柱しかない若しくは前後の壁しかないもので、オープントップコンテナ同様に異形のものを輸送することが多いようです。フラットベッドコンテナはもはや柱すらない床だけのコンテナです。

タンクコンテナ

液体や気体を輸送するためにタンクを備えたコンテナです。

積み荷が液体か気体かありがとうございます、危険物か非危険物かの他、制御電源が必要かなどで細かく区分されます。

積み荷が粉末・粒状の場合はバルクコンテナに区分されます。

今回は海上コンテナについての情報をまとめてみましがいかがでしたか?
お役に立つ情報はあれば幸いです!